宜興鉢からの記憶(名古屋 覚王山より)
2020.11.09
こんにちは。名古屋店スタッフ I です。
本日は、古くから陶磁器生産が盛んであった中国宜興の鉢のご紹介です。
宜興では、朱泥や紫泥などの茶器が多く作り出され、文人の喫茶具としても珍重されてきました。
当店にございますこちらの鉢は、清朝末期から中華民国時代にかけてのものです。
伝統的な職人技によって施されている装飾がなんとも中国らしいデザインの作品ですね。
個人的にこの鉢を見た途端、なぜか「さらば、わが愛 / 覇王別姫」という映画を観たのを思い出しました。
(もう10年以上前のことですが…)
原作は同名小説、かつパルムドール受賞作品なので、ご存じの方も多いと思います。
それまであまり華流映画というジャンルを観たことがなかったのですが、この映画は近代中国の50年を哀れすぎる主人公の運命とともに描いていたこともあり、なかなか深い作品だったと記憶しています。
今日のこの鉢が作られた年代より後の時代背景ですので、関係ないじゃないか!と思われる方、ご勘弁を…笑
浅いところでいうと、時代に翻弄される京劇役者をレスリーチャンが主演されているのですが、(残念ながら現在のお姿はもう見られません。泣)彼の京劇を演じる姿が本当に美しいのです!(妖しすぎます!笑)
様々な複雑な環境、人間関係、時代描写などが盛り込まれており、華流映画名作のひとつではないかなと思っています。
と、ここまで紹介しておきながら詳細部分は忘れてしまっているので、もう一度じっくり味わいたいなと♪
その時のおともはやはり中国美術と紹興酒や白酒(スタッフI、飲みなれていません笑)でしょうか(^^
壮大なスケールと繊細な美学と評されるこの作品。
お時間ありましたら、皆さまも中国美術品とともに是非ご鑑賞を…