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そもそも印籠って(愛知県名古屋市千種区姫池通 骨董買取 古美術風光舎)

2024.05.11

みなさまこんにちは、スタッフYでございます。

 

先日から、弊店のブログやSNSにて時々印籠が登場しております。

 

 

 

 

印籠なんて生まれて初めて手にしましたので、面白がって水戸黄門のワンシーンのように「ええぃ頭が高い、 この紋どころが目に入らぬか。」などと懐から取り出し、印籠を突きつけるの決め台詞の茶番をやってみたりして、ちょっと楽しんでおりました。(大人げない笑)

 

こちらの印籠は蒔絵の施された素敵な印籠なのですが、そもそも印籠は腰に提げて貴重品を携行するもののようでしたが、主に薬入れていたようで薬籠(やくろう)ともいうそうです。蓋(ふた)と本体(3重または5重のものが多い)の穴に紐(ひも)を通し、紐の先端には根付けを付けて滑り止めとしたりして、安土桃山時代(1568~1603)から用いられ、元禄(1688~1704)のころには武士のファッションとして定着したそうです。

 

材質は漆塗り、陶製のもの、金属製のものなど多様なのですが、多くは華麗な蒔絵(まきえ)や根付が施されており、当時のお洒落アイテムだったんだろうな…ということはこのデザインからも推察できます。

 

印籠がどういうものかはわかったとして、印籠とえば水戸黄門。あの時代劇のシーンにておいて重要なのはあの「葵の御紋」だったということなのでしょう。印籠をつきつけるシーンは作り話だとして何故に印籠になったのか…?なんてちょっと疑問の思ってきたのですが。

 

その前に家紋が誕生したのは平安時代からなのですが、その文化が大きく発展したのは敵味方を見分ける必要のあった戦国時代で、戦の中で旗や鎧、兜、弓、剣などに印されております。家紋によって武士が自分の能力をアピールできる意味合いもあり、戦で活躍した武士はより家格の高い家紋を賜ることができ、それによって絆を深め、その紋章に準じた待遇を受けることもできたのだそうですから、家紋はいわば当時の家柄の身分証明書、「葵の御紋」なんてついていようものなら役付きの肩書がついた名刺のようなものだったんでしょうね。

 

だとしたら「葵の御紋」が印されたものだったらなんでもよかったんじゃないかな?なんて思ったりしたのですが、当時の大切に携帯していもののアイテムである印籠に「葵の御紋」がついているのですから、これ以上説得力のある身分証明書はないということでしょうか。

 

 

 

 

そしてなによりも格さん(たぶん)が葵の御紋入りの印籠をつきだすあのシーンは今さら印籠の他のアイテムでキメることはちょっとできないな…。と思うくらい脳内にかなり染み付いているのですが、皆様も水戸黄門のあの名シーンの印籠のあのポーズが、もし他のアイテムだったら…などと想像しながら今一度見直してみてください。

 

それではごきげんよう。

 

 

 

Hello everyone, this is Staff Y.

 

Since the other day, Inro has been appearing on our blog and SNS from time to time.

I was so amused that I pulled it out of my pocket and thrust it at him like a scene from “Mito Komon” (a popular Japanese comic strip show). I would pull it out of my pocket and thrust the Inro at him. I was having a bit of fun. (not very mature lol).

 

Inro was originally used to carry valuables around the waist, but it is said that it was mainly used to store medicines and was also called “Yakuro” (medicine basket). A string was threaded through the holes in the lid and body (often three or five-layered), and a netsuke was attached to the end of the string to prevent it from slipping.

The materials used for the Inro varied, including lacquered lacquer, ceramics, and metal, but most of them were decorated with gorgeous makie (gold-relief lacquer) and netsuke, and we can infer from the designs that they must have been a fashionable item at that time.

 

Now that we know what an Inro is, I guess the important thing in the scene of Mito Komon was the Aoi no Gomon, but if the scene where the Inro is pointed at is a myth, why did it become an Inro…? I am beginning to wonder why it became an “inro” if the scene in which he puts an inro to the man is a fiction…?

 

Before that, family crests were first created in the Heian period (794-1192). It was during the Warring States period, when it was necessary to distinguish friend from foe, that the culture of family crests developed greatly, and they were used to mark flags, armor, helmets, bows, swords, etc. in battle. Therefore, a family crest was, so to speak, an identification card of the family at that time, and a “hollyhock crest” must have been like a business card with a title of an official.

If so, anything with a “hollyhock crest” on it would have been fine. However, since the “Aoi no Gomon” is on the Inro, which was a very important item to be carried in those days, there is no more convincing identification card, is there?

 

And above all, the scene in which Tadasu-san (probably) holds out the Inro with Aoi no Gomon on it, I can’t use any other Inro items to make a good impression now…. I would like to ask you all to take a look at it again, imagining what it would be like if the Inro pose in that famous scene in Mito Komon had been made with another item.

 

Have a good day.

 

 

 

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